ほねっこアニメ部屋

俺たちは腐っているんじゃない、発酵しているんだ

05-09

2015

至高の浮世エンターテインメント 百日紅見てきました

行ってきました百日紅!
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これまでの原恵一監督作品とは少しテイストの違うフィルムで、いろんな楽しみ方ができる作品でした!大満足です!

原恵一監督と言えば写実的な人物描写とそれに裏打ちされた自然な日常芝居!
今回の作品でもそれが良く出ていてとても気持ち良かったです!
お栄と彼女の盲目の妹、お猶とのやりとりなんか最高でしょ!

ただ、本作ではそれだけにとどまらない新しい試みもありました。
まず、これまでの原監督作はオリジナル要素が強い作品が多かったのですが、今作はできるだけ原作に忠実な映像にしようとする姿勢を感じました。そのため、監督色が少し薄いかなという印象でした。
なんていうのかな、キャラクターデザインにしろ見せ場の演出にしろ、よりアニメっぽい雰囲気になっていましたね。
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北斎の代表作である神奈川沖浪裏を使ったシーンなんかまさにアニメ的な演出ですよね。

原作は登場人物のエピソードを並べたようなオムニバス形式なため、
映画もいくつか独立したショートストーリーが連なる形で一つの物語が出来上がっています。
このショートストーリー同士の繋がりが少し薄いかなという印象はありました。

また、観客を必要以上にセンチメンタルな気分にさせない、作品世界に引き込ませない、物語と観客との距離感を取っています。
このような江戸の日常を淡々と綴るストーリーであるため、退屈に感じる方もいるかもしれません。
そんな雰囲気僕は大好きなんですけどね。


作品を見る上で知っておいた方が良いと思うので、
史実の北斎とお栄(葛飾応為)について少し書きます。

○葛飾北斎
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北斎の代表作のひとつ、北斎漫画。作中で上の絵をかき取るシーンが出てきましたw
言わずと知れた世界的な浮世絵師で、ゴッホをはじめとした西洋画家たちにも多大な影響を与えています
また、その画力に惹かれ、指導を仰ぐ絵師が沢山いました。作中の池田善次郎や岩窪初五郎もその一人
ただ、その言動は奇人変人そのもの!

・気が短く、義理人情を重んじる、典型的な江戸っ子
・ただ、礼儀作法を好まず、相手が誰であれそっけない態度をとる
・家は散らかり放題のゴミ屋敷。家が汚くなりすぎると引っ越す(その数93回!)
・お金の管理はいい加減で、売れっ子作家なのにいつも貧乏
・着物にも無頓着でその姿はただの田舎者

そんな北斎と同居し、作品制作を支え続けたお栄もまた、父親と似た性格の持ち主でした。

○葛飾応為(お栄)
葛飾北斎の三女で、その画才で北斎の制作活動を助ける。お栄とも呼ばれる。
慎みを欠くものの、弱きを助け強きをくじく任侠風を好み、負けず嫌いな男勝りな性格。
当然、偉大すぎる父親に対するコンプレックスもあったんじゃないかと思います。

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お栄の代表作「吉原夜景図」
西洋画の明暗法を大胆に用いた作品が印象的
西洋美術も東洋美術もギャラリーフェイクでかじった程度の知識しかない私ですが、
この作品を初めて見た時は「江戸時代にこんな画風の作品があるのか!」ってとても衝撃的でした

これだけの画力を持つお栄なので、
北斎の作品とされているうちの相当数は、実はお栄の作、もしくはお栄との共作ではないか?
という説もささやかれています。
特に北斎晩年の作品は、北斎の下書きをお栄が仕上げていたと考えるのが自然に感じます。。


江戸へタイムスリップしたような気分を楽しむのもよし!
豪華アニメーターによって作りこまれたリッチなアニメーションを楽しむのもよし!(特に背景動画を使ったお栄が家を飛び出すシーンは圧巻!)
見所満載の映像は見ごたえ十分!
ぜひ劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか?
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