ほねっこアニメ部屋

俺たちは腐っているんじゃない、発酵しているんだ

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03-01

2015

「デジタル作画」を考える

日本においてもCGアニメーションが「楽園追放」や「STAND BY ME ドラえもん」などの登場で、ますます存在感を高めています
最近では、「手描きVS CG」が取り上げられる機会が増えましたが(SHIROBAKOでも取り上げられましたね)
「デジタル作画」という新たな制作手法が静かに、そして確実に広がりつつあるのってご存知でしたか?

デジタル作画は簡単に言えば、アニメーターが紙と鉛筆からタブレットとペンタブに持ち替えることです
従来の手描きアニメでは、絵のデータが全て紙で作成・管理されていますが、デジタル作画にすることで、絵のデータがデジタル環境で作成・管理できるようになります

デジタル技術が進歩した現在において、1枚1枚紙に絵を描いている作画工程は非常に時間と費用がかかる工程になっていて、
アニメの制作工程において、生産ラインのボトルネックになっています
ここにデジタル技術を持ち込むことで、業務全体の効率化が進み、作品のクオリティ向上にも寄与するのではないか?
と期待されています

デジタル作画のメリットと課題
メリット
デジタル作画にすれば、絵をデータとして共有できるようになるので、様々なセクションで業務効率が改善されるほか、セクション間の情報のやり取りも良くなることでしょう

・アニメーターが楽になる!
様々なデジタル機能が使えるようになるので、作業効率の向上が期待できます
例えば、拡大・縮小・回転・貼り付けといった機能が使えるほか、その場で動画を連続表示させて動きをチェックすることができます
また、2枚の原画の間に中割をする際には、2枚の原画を画面上に表示させて、その間に線を引く、なんてこともできるようになります
さらに、リテイクの際の書き直し作業も格段に楽になり、バンクシーンのような素材の使い回しが容易にできるようになります
恐らく、デジタル作画の恩恵を最も受けるセクションになるのではないでしょうか

・制作進行が楽になる!
これまで、原画・動画は全て紙で行っていたので、制作進行は車を転がして発注先に素材を回収しに行く、という仕事が必要不可欠でしたが、デジタルデータにすれば、共有サーバか何かに素材を送ってもらえばいいので、素材回収にかかる時間を短縮できるようになります
また、東京だろうが鳥取だろうがブラジルだろうが、素材回収にかかる労力に差がなくなるので、発注先の選択肢が広がることになります
さらに、紙で管理していたものがサーバー上で管理できるようになります。デジタル作画にすれば、「カット袋」じゃなくて「カットフォルダ」になるんでしょうねw

これら最も高負荷と言われる2つのセクションの能率が上がれば、演出ほか周辺セクションの負荷軽減にも寄与することでしょう

課題
・デバイス・ソフトウェアが開発途上
現在、デジタル作画に特化したソフトフェアはいくつかありますが、どれも開発途上
実際、ペンタブでの書き心地ってどんな感じなんだろうか・・・
また、これら複数のソフトで作られたデータに互換性がなければ、制作会社間・アニメーター間でのデータのやり取りに支障が出る可能性が考えられます。
Microsoft Officeのような統一規格がなければ普及は難しいかもしれません

・初期投資が必要
全てのスタッフにデバイスとソフトフェアを付与する必要が出てきます
一人当たり20万くらいのコストがかかるとか

・ITリスク
プロダクション作業が全てデジタル化されるので、ソフトフェアやシステム・データを管理する専門の部署が必要になるかもしれません。むしろこれが制作の仕事の中心になるかも・・・
また、アニメーターにはソフトフェアを使いこなすためのITスキルが必要になります

・画力が身につかない?
便利なデジタル機能に頼ってばっかりでは、画力が身につかないじゃないか?という意見が聞かれますが、デジタル作画自体歴史が浅いので、その真偽は定かではありません

・デジタル作画環境を備えたスタジオ・アニメーターはまだ少数
まだ多くのスタジオでは手描きの環境しか備えていません
手描きのスタジオ・アニメーターと組む場合には、デジタル作画のメリットを享受することができません

・りょーちも氏の挑戦 ~夜桜四重奏-ハナノウタ-の場合~
りょーちも氏が監督を務めた「夜桜四重奏-ハナノウタ-」では一部デジタル作画の手法が採用されました。
参考記事:http://news.mynavi.jp/articles/2014/06/25/wacom1/
1話・6話・10話は全てデジタル作画によって作成されたそうですが、僕は他の話数と比べても全然気づきませんでしたねー!
でも、実際には様々な苦労をされたそうです・・例えば

アナログ環境での制作環境と平行してデジタル作業を実施
スタッフがアナログ環境に慣れているが故の大小さまざまなトラブル
手描きアニメーターがデジタルでやったら作業効率がガタ落ち
新人デジタルアニメーターが設定画をコピペして出してきた
原画が彩色までやってしまった
・・・などなど

これら制作苦労話を紐解いていくと、デジタル作画環境では従来の分業体制が変わる可能性があるのではないか?と感じました。

アナログで最も効率が良いとされた手法と、デジタルで最も効率の良い手法は必ずしもイコールにはならないでしょうから、今の仕組みがそのままデジタル環境に引き継がれるとは限らないでしょう
これまで必要とされていた仕事がなくなる一方、新しい仕事が生まれる可能性も十分に考えられます


デジタル作画は制作手法の大変革になるため、すぐには業界全体に浸透するとこはないでしょう
しかし、業界内でもその必要性を訴える人が増えているようにも感じます
今のアナログな制作方法では限界が来るときが必ず来ると思います。というかもう限界ギリギリだと思います。
遅かれ早かれ、デジタル技術の進歩とともに、手描きアニメは全てデジタル作画の手法で描かれる時代が必ず来ると思います
そうなったときには、アニメーターという仕事が、画力よりもITスキルが求められる仕事になったりして・・・
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