アニメ・儲けの仕組み

アニメ業界がどうやって儲けているのか？
意外と知らない人が多いんじゃないのかと思ったので
自分の復習の意味もかねて、この場でシンプルに解説していきまーす



とりあえずシンプルな表にしてみましたが、実際は、
テレビCMのスポンサー料が収入の一部として入ってたり、製作委員会にテレビ局やアニメ制作会社が入ってたり、著作権利用料の分配方法がややこしかったりと、もっと複雑だったりします。たぶん。

①出資
アニメは、複数の会社が出資する「製作委員会」というシステムで製作されます
当たり外れの大きいアニメの製作において、そのリスクを小さくするために作られた仕組み
出資会社が立ち上げた製作委員会で、メインスタッフや作品の方向性などを決め、企画・原案を詰めていきます
製作委員会には、表の企業のほか、テレビ局・アニメ制作会社・玩具メーカーなどが参画します
また、出資の多寡によって、被るリスクや受け取るリターンが変わってきます

②制作依頼
大手アニメ制作会社が製作委員会から受注します
ここで受注した会社が、ネットでよく議論の種にされる「制作会社」に当たります
元請制作会社は、下請け会社も含めた制作スケジュールの調整が、とても重要な仕事になります

③外注
元請会社は、アニメ制作の一部セクションを外部に外注します。自力で全工程をこなすことは絶対にありません。
動画はしばしば、安価な韓国や中国の会社に丸投げしてたりします
また、丸々１話分を外注する「グロス請け」を行ったりします（EDクレジットでは「制作協力」として出てきます）

④放送枠購入
製作委員会は、テレビ局（TOKYO MXやBS11など）にお金を支払い、アニメを放送してもらっています
その証拠に、放送中に流れるCMは全て製作委員会に参加している企業のCMです（ブルーレイ発売のCM、OPテーマ曲発売のCMなどなど）
フジテレビやTBS/MBSなどのキー局でも、製作委員会参画企業がCMを流していることから、テレビ局にスポンサー料を支払っていることになるので、本質的にはお金の流れは同じです（一部外部のスポンサーが入っているようですが）
アニメが深夜ばっかりだったり、放送局が地方局だったりするのは、購入費用を抑えるためでもあるんです

⑤外部収入
今まで資金が流出する一方でしたが、ここでようやく資金の回収に入ります
作品にもよりますが、最初の企画からここまで、おおよそ２～３年かかってます

ここで、一般的に円盤の売上が重視されるのは、一番最初のまとまった収入だから
7,500円のBDが5,000枚売れたとしたら、1巻当たり3750万円、１クールアニメの一般的な巻数である6巻で2億円を超えます（アニメーション制作にかかる費用は1クールで１億程度と言われています（表でいうと、②の赤い矢印にあたる部分。この他にも、販売費用等がかかります））
作る側としては早期に資金を回収して、次回作の出資に回したいですからね

プロジェクトの規模が大きければそれ相応の売上が必要になりますが、小さい作品はそこまで売れなくてもプロジェクト全体でプラスになったりしますし、
ガンダムのプラモ・マクロスの楽曲・プリキュアの各種玩具など、円盤以外にもまとまった収益源があることも忘れてはいけません

また、この外部収入は半永久的に続くということろもミソ
キラーコンテンツを作れば、CSやネットでたびたび再放送されたり、放送から数年後にゲーム化されたり、プラモが再販されたり、パチンコ化されたり、OPソングがカラオケのヒットチャートの常連になったりと、長期間にわたって収益を生み出し続けます。しかも追加コストほぼゼロで！
製作者側の究極の目標は、そんな「ドル箱作品」を作り出すことなんでしょうね

⑥分配
獲得した収益は、各社に分配されますが、その方法として以下の２つが考えられます

A:出資比率によって分配
B:分割された権利ごとに分配

Aは、出資の多寡によって受け取る収益が変わる方法で、株式会社みたいな感じ（厳密には違うけど）
Bは、A社は円盤を売って儲ける権利を所有し、K社は書籍を売って儲ける権利を所有し、それらから得られる収益のほとんどを独占できる、といった具合に分配させる方法

こればっかりは契約内容を見なきゃわかんないんだけど、実際問題どうやって分配してるんだろう？
AとBの折衷みたいな感じになってるとは思うんだけど・・・
私気になります！

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EDクレジットやCMなんかから、どの会社・人物がどの程度まで製作に関わっているのかが分かったりするので
飛ばさずに注視してみるのも面白いと思います！
最近は、協力・協賛という形で自治体や一般企業が出てくることが多いですね(*´ω｀*)