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ほねっこアニメ部屋

俺たちは腐っているんじゃない、発酵しているんだ

03-31

2012

IGポートのIR情報を読む!

結局TAFもACEも行ってないほねっこです!

だって、休日に外出するのって凄く抵抗があるんだもん・・・


それはさておき、グループ全体の売り上げの大半を、アニメ関連事業が占めているIGポート

主に深夜アニメの制作に携わってる企業で上場しているのはここだけじゃないかな?

そして何より、ほねっこが好きなアニメを多く作ってくれるお気に入りの会社!

今さらだけども、そんなIGポートの2011年5月期の決算報告書を読み解いていきます!(5月決算会社)

決算資料を読むことで、どの作品が売れていて、どういう事業で儲けているのか、など事細かに分かるし、
アニメビジネスの現状も知ることが出来るので、とても面白いし、勉強になります


決算説明資料
http://www.igport.co.jp/pdf/material/201108_setsumeikai.pdf
決算短信
http://v3.eir-parts.net/EIR/View.aspx?cat=tdnet&sid=903322
有価証券報告書
http://v3.eir-parts.net/EIR/View.aspx?cat=yuho_pdf&sid=1650119

分かりやすく書かれた決算説明資料と、一番詳しく書かれている有価証券報告書を中心に見ていきまーす


◆IGポートってどんな会社?

アニメの企画・制作、出版物の販売を手掛ける持株会社。JASDAQに上場している
3月23日現在の株価は4万円前後、売買単位は1株なので、4万円前後あれば誰でも買える
ここ数年は無配。ただ、過去の株主優待として、先行上映会や座談会、懇親会が催されている

主な子会社:Production I.G(アニメ企画制作),XEBEC(アニメ企画制作), マッグガーデン(出版事業)
代表作:
【 Production I.G 】 攻殻機動隊シリーズ、BLOODシリーズ、君に届け、テニスの王子様、ギルティクラウン、など
【 XEBEC 】 機動戦艦ナデシコ、蒼穹のファフナー、ゾイド、宇宙のステルヴィア、輪廻のラグランジェ、など
主要株主:石川IGポート社長(27.3%)、電通(10.2%)、日テレ(10.2%)

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左:攻殻機動隊シリーズ。今もなお根強い人気を誇るProduction I.Gの看板作品。サイバーパンクの最高傑作
右:蒼穹のファフナーシリーズ。2010年に続編の劇場版が公開された、XEBECの人気作品。あなたは、そこにいますか・・・

◆事業内容

主な事業は、以下の3つ

映像制作事業:アニメーションを企画・制作し、委託先に納入
出版事業:コミック雑誌・コミック単行本がメイン
版権事業:製作委員会への出資と、著作権の管理

映像制作が売上げや従業員数などの点で、圧倒的に規模が大きい

◆製作委員会のしくみ(ざっくりと)
アニメの殆どは、下図のような製作委員会方式で作られます

製作委員会
製作委員会略図 (2008年公正取引委員会が作った資料より)

製作委員会とは、アニメ製作のために複数の企業が出資して設立する団体のこと
1社で出資を請け負うよりも、リスクが分散され、資金調達が容易になるほか、少額からも出資できる、などのメリットがある一方、
責任の所在がはっきりとしない、機動的な行動が難しい、作品が二次利用のための広告宣伝にされてしまう、などのデメリットも存在する
出資企業は、出資割合に応じて二次利用収入の分配金や、著作権・独占利用権を獲得できる
ただし、作品が振るわなければ出資額以上の損失を被るリスクも存在する
(民法上、製作委員会は無限責任の任意組合のため。この「無限責任」が、出資先を広げにくくしている)
資金力のある大手アニメ制作会社は、二次利用収入目的にたびたび出資している
企画・原作を行なった企業は、印税収入もあるみたい

◆各計算資料の実績・予想

①BLOOD-Cが売れることを前提に計画を立ててる。やばくないかこれ。
原作・企画の印税収入も見込んでいるだろうし、
出資比率も多いだろうし、劇場化も決定してるからな・・・
BLOODシリーズは海外で人気が高い作品だから、海外頼みでしょうね


②アニメ制作における出資金額を「映像マスター」として固定資産に計上しているが
この資産の償却期間が1年で計算されている
版権収入は大体1年で終わるってことなんだろうね


③有報のセグメント別売上の版権収入の所に注目
版権収入の営業費用は4.5億円、営業利益は1億、営業利益率は2割程度なのですが
営業費用のうち、出資額に相当する減価償却費が3.4億円を占めています
つまり、最初に製作委員会に出資しちゃえばそのあとの追加コストはあまりかからないってこと
息の長い人気作品を作れば、労力を費やすことなく楽に収入を得られます
そういった「ドル箱作品」は、攻殻機動隊・東のエデン・戦国BASARAなどが該当するみたい

ところで、機動戦艦ナデシコの版権収入が急に表れたけど、BD-BOX販売に因るものでしょうね


④デジタルコンテンツ・キャラクターグッズ・イベントなどへ事業領域を拡大しようと目論んでいる様子

円62
2009年決算資料より
今はネットや商品化の割合がもう少し増えているはず

旧ビジネスモデル

新ビジネスモデル

アニメ企業各社は、上図から下図への移行を進めているであろう(2010年決算資料より)

コアなアニメファンに高額なBlu-rayを売りつけてるばかりじゃジリ貧なのは見えてるので
ライトなアニメファンに対するビジネスモデルを構築しようとしているみたい
ぶっちゃけ、違法配信視聴者(フリーライダー)からどうやってお金を取るか、を試行錯誤してるってことでしょう
こういったクロスメディアな事業拡大はどの企業も取り組んでいるだろうね
特に、スマートフォンが急速に普及しているから、デジタルコンテンツは今一番ホットな領域でしょうね


◆ちょっと気になったところ

①「版権事業は映像マスターの減価償却費が減少したため利益が改善した」って書いてるけど
映像マスターの償却期間は1年らしいので、裏を返せば
「前年度の製作委員会への出資額が少なかった」ってことじゃん?
まぁ今年から積極的に投資するらしいけど


②連結・持分法の範囲に「猫ラーメン製作委員会」とか「蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH製作委員会」っといったものまで入ってるww
製作委員会に多めに出資すると、連結会計に引っかかるんだねww


③2年前に1作品に対して、「版権収入の獲得が今後見込めない」として2300万円ほどの減損損失を計上してるけど
この大コケした「1作品」って気になるなwww
過去の決算資料を見る限り、ホッタラケが怪しいぞ・・・


④営業費用の項目に業務委託料という科目がありますが
これってつまりは業務委託契約をしているアニメーターに対する給料ってことなんでしょうね
顧問料とか出向料ってのがよく分からないけど、外部の主要スタッフ(監督・演出家などの上位役職)に対する賃金にあたるのかな?
どの会社にも属せずにフリーで活動してるスタッフなんていっぱいいるし
アニメの場合、特定の人材を複数の会社で融通し合うのが普通だからね


⑤本社1階で自社運営のイタリアンレストランなんてやってるのかwwww
↓食べログ「武蔵野カンプス」
http://r.tabelog.com/tokyo/A1320/A132002/13114310/


↓おすすめメニューのマルゲリータ
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美味そうじゃねえか!しかも店内にアニメポスターが飾ってあるらしいぞ!
これはいつか行くっきゃないな!




コミックスの事とか全然分かんないんで、マッグガーデン関連はスルーしました!

「色々ビジネスモデル考えても、良い物作らなきゃ意味がねえ!!」みたいなことが書いてあったので

これからもIGグループに期待してもいいよね!

今度は東映アニメーションか創通あたりのIR資料を読もうかな
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